水に関する本の要約

水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない(竹内孝仁氏)要約

水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない 水に関する本の要約

今回は「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」

著者 竹内孝仁(たけうち たかひと)氏の本の要約です。要約をさっと動画で見たい方はこちら、約9分です。

文章で読みたい方は、こちら。目次でお好きなところからお読みいただけます。

「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」 著者 竹内孝仁氏

「水を飲まないと血液がドロドロになって、動脈硬化が起こりやすい」といった健康情報を耳にしたことはありませんか。実は、認知症の原因にも水不足が関わっていました。筆者は、65歳を超えた高齢者に「一日1500ccの水を飲みなさい」と指導してきました。というのも、水不足が深刻になると、意識があいまいになったり、便通が悪くなったりと体の不調が生じるからです。人間の体内水分量は、子どもで75%、成人で60%、高齢者で50%と年々下がっていきます。水不足を解消し、十分な栄養と適度な運動を取り入れた生活を送れば、認知症患者の大半は完治が可能となります。今回は、筆者が示すこの考え方『水、メシ、クソ、運動、4つのケア』について詳しく見ていきましょう。

本書の要点は4つです。
1.認知症ってどういう病気?
2.水を飲むと症状が回復する仕組みを知ろう
3.運動も認知症を治す重要な手段
4.日本の介護実態

認知症ってどういう病気?

そもそも、認知症がどういう病気かご存知でしょうか。物忘れと混同されがちですが、認知症では「同じ話を無意識に繰り返す」「物のしまい場所を忘れる」「理由もないのに気がふさぐ」など10個の初期症状で点数を出して、どのレベルに位置するかを判断します。また、「記憶」と「認知」は全く異なる概念だということも知っておきましょう。記憶とは、忘れずに覚えておくことです。一方、認知とは、自分の置かれた「状況」を正しく把握して、行動に結びつける働きのことを指します。
 例えば、朝、布団のなかで目を覚まします。その時、ぼけていなければ、そこが自分の家であって、横たわっているものが布団であるという「状況」をきちんと理解できます。それから時計を見て7時であることを確認し、布団から起き上がるという行動に移ります。この一瞬に起きる一連の判断が「認知」であり、認知症になると、この精神の働きに支障が出るのです。
 さて、認知症では「認知」や「判断」に障害をきたすことが分かりました。あとは、心的エネルギーにも悪影響が出ます。認知症になると、これまで難なくこなせていたことが、注意散漫のため対応できなくなってしまい、ある物事に対して関心が低くなってしまうことが多いです。こうした症状を治すためには、明るい意識状態を取り戻して、認知を正しく働かせることが重要です。そのためのベストな有効手段として、筆者は水分を多くとることを勧めています

水を飲むと症状が回復する仕組みを知ろう

水分を多くとることで、顔つきがしっかりするのは、もっともよく聞く改善例です。介護施設でも、水分補給をきちんと行なっているところは、転倒などの事故事例が少ない傾向にあります。
 では、なぜ水分が重要なのでしょうか。人間の体の半分以上を占める水のうち、6割が細胞の中に存在します。残り4割は、血液や体液などの細胞外液に当たります。そして、細胞の70%が水分で構成されるため、細胞もまた水がなければ生きていけません。その細胞は、私たちの脳、内臓、骨、筋肉、皮膚、毛髪、爪などを形成する「タンパク質」をつくる役割を担っているため、体の正常な機能には水分が欠かせないのです。
 水が不足(2~3%、500~750cc)すると、発熱が起こって、循環機能に影響が出ます。高齢者の場合ですと、普段の体温が低いので、36.5度を超えたら発熱ととらえてもよいでしょう。とくに認知症の場合、36.5度あたりですでに脱水を起こしている可能性が大きいとみて間違いありません。放っておくと水分が減って、血液が濃くドロドロになり、最悪の場合、脳梗塞などが起きてしまいます。寝ている間にも、呼吸などによって水分が体外へ出ていくため、高齢者は明け方に脳梗塞を起こすことが多いのも事実です。このことから、夜寝る前にコップ1杯の水を飲むのも大切だと分かりますよね。

運動・栄養も認知症を治す重要な手段

 私たちが日中歩いたり立ったりするとき、血液は重力に逆らうように上下に巡っています。しかしながら、歳を取ると心臓のポンプ機能が弱くなり、筋肉が痩せて、十分に血液循環を回せなくなります。高齢者の脚がむくみやすい理由はそこにあります。そうならないためには、運動が一番です。運動すると、全身の血液循環が活発になり、腎臓への血流量も増え、尿が出やすいので、失禁も防ぐことができます。さらに、昼間の覚醒水準が上がれば、夜はぐっすり眠ることができて、睡眠の質が上がり、認知症の症状が緩和されます。血液循環が良くなれば、腸の働きも促進されるので、便秘解消にも有効です。
 また、栄養失調も体力低下につながる重大な要因ですので、注意しましょう。認知症患者は、食べるのが非常に遅かったり、少しだけ食べて残したりする場合が多いです。水分補給と同じくらい、栄養の摂取にも配慮する必要があります。

日本の介護実態

高齢になると、足腰が弱くなり、行動範囲が限られたり、家の中に引きこもったりするようになりがちです。ただ、何もせずに家にいると、考えたり話したり、体を動かしたりすることがなくなっていくため、認知機能に衰えが出てきます。高齢者を家族で世話するのが大変な場合は、介護士や介護サービスを頼りに、365日24時間のケアをきちんと行なうようにしましょう。実際、孤独は認知症の大敵です。一日の大半を一人で過ごしたり、介護施設であればベッドの上で過ごしたりするような状景は避けなければなりません。介護施設では、イベントなどで「役割」が割り振られることがありますが、これは、高齢者にとっての「生きがい」と言っても過言ではありません。私たちは、他者に必要とされることで、精神を保っていますが、この「役割」は他者との関係の中でしか生まれません。高齢者でも自律的な生活を送れるよう、家族や周囲のサポートはとても重要なのです。

まとめ

今回は、認知症の概要とその対処法について解説しました。体の中は水分で構成されているので、その水分を必要量摂ることは、体の機能を正常に保つうえで欠かせない手段であることが実証されました。さらに、認知症には精神的なダメージも影響するので、高齢者の介護では、運動や栄養補給はもちろん、役割という生きがいを与えることの重要性も分かりましたね。本書にはほかにも、認知症にまつわる様々な健康ノウハウが記載されているので、介護職の関係者だけでなく、介護について知見を深めたい方は、ぜひ読んでみてください。

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